欧州宇宙機関(ESA)とアメリカ航空宇宙局(NASAの共同研究者チームが、AIモデル「AnomalyMatch」を使ってハッブル宇宙望遠鏡の画像アーカイブを解析し、 わずか2日半で多数の「異常なオブジェクト」候補を抽出したと発表しました。膨大な過去データを人手で網羅的に見直すのが難しくなる中、AIで候補を絞り込み、 専門家が確認する流れを確立した形です。 https://gigazine.net/news/20260129-hubble-archive-ai-anomaly-match-discover/ ESAの研究者であるデビッド・オライアン氏とパブロ・ゴメス氏によって開発されたAnomalyMatchは、人間の脳が視覚情報を処理する方法を模倣した ニューラルネットワークで、データ内のパターンを認識することで稀で珍しい天体を検出するように訓練されています。 ハッブル宇宙望遠鏡が35年間にわたり蓄積してきた膨大な観測データの中から異常を探し出す作業は、専門家による手作業では到底不可能な規模でしたが、 AnomalyMatchの導入によってアーカイブ全体を網羅する初の系統的な探索が実現しました。 特定された「異常なオブジェクト」の内訳は多岐にわたります。発見された天体の多くは、合体や相互作用の過程にある銀河で、通常の銀河とは異なる歪んだ形状や、 星とガスが尾のように長く伸びたストリームを伴っていました。また、手前の銀河の重力によって時空が歪み、背景にある銀河の光が弧や環の形に曲げられる 重力レンズ効果も多数確認されました。 その他にもガスが触手のように伸びる「クラゲ銀河」や、惑星形成円盤を真横から見たことでハンバーガーのように見える珍しい天体も発見されています。 特に注目すべきは、数十のオブジェクトが既存のどの分類体系にも当てはまらない未知の形態をしていた点です。 研究チームは、この取り組みがハッブルレガシーアーカイブ全体を対象に異常天体を系統的に探索した初の試みだと位置付けています。 市民科学による分類支援も行われてきた一方で、アーカイブ規模が拡大する中では限界があり、AIによるふるい分けと専門家の確認を組み合わせる意義を強調しています。 今後については、宇宙望遠鏡や広視野サーベイのデータがさらに増えると見込まれ、同様のAIツールがデータの洪水をさばく鍵になるとしています。 ESAの宇宙望遠鏡「ユークリッド」や、まもなく本格稼働を見込むベラルービン天文台、遅くとも2027年5月までの打ち上げが予定されている ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡などによって巨大なデータを得ることが、未発見の現象や前例のない天体の発見につながるとESAは述べています。 https://esahubble.org/news/heic2603/ https://science.nasa.gov/missions/hubble/ai-unlocks-hundreds-of-cosmic-anomalies-in-hubble-archive/ https://www.youtube.com/watch?v=jIkf4bdm2Wc