三毛猫のオレンジの毛をつくる遺伝子を特定したと、九州大などの研究チームが発表した。三毛猫が3色の毛を持つ仕組みは長年の謎だったが、 世界で初めて解明した成果だという。論文が16日、科学誌「カレント・バイオロジー」に掲載された。 https://www.yomiuri.co.jp/science/20250515-OYT1T50236/ 白、黒、オレンジの毛色を持つ三毛猫はほとんどがメス。性染色体上にある遺伝子が毛色に関係していると考えられていたが、詳しくわかっていなかった。 チームが、オレンジの毛を持つ猫26匹と、そうでない41匹の遺伝情報を比較したところ、オレンジの猫は性染色体上の遺伝子「ARHGAP36」の 一部が欠けていることがわかった。その結果、黒の色素をつくる遺伝子の働きが抑えられ、オレンジの色素がつくられるとみられるという。 さらに、発生の過程で性染色体がランダムに活性化したり不活性化したりするメス特有の現象が組み合わさることで、三毛猫特有のまだら模様が形成されるという。 チームの佐々木裕之・同大特別主幹教授(遺伝学)は、「三毛猫の模様の謎を解明することは長年の夢だった」と話す。約1000万円の研究費は クラウドファンディングによる寄付で集めた。